前回、「香港で保険の見直しを行うと、大変お得」なことを説明しましたが、日本人の皆様にとって不安なこともあると思います。今回はその1つであるUSドル建ての商品について私の考えを御披露します。昨今外貨預金などもよく目にするようになりましたし、香港で暮らしていると銀行預金も複数通貨で預金できるのが普通ですから、外貨(日本円以外)に対する抵抗感は少なくなりつつあると思います。 しかし、一方でリーマンショック以降に「USドルの時代は終わった?」「米国頼みの世界経済から中国がけん引する世界経済」など米国の力が弱まり、USドルも弱くなるのでは、との不安をお持ちの方も多いと聞いております。 確かにUS$が弱くなれば、日本円ベースで考えた時の受け取る際の金額が減ってしまう可能性はあります。ただ、これはUSドルが円に対して弱くなった場合です。確かに世界全体で見れば、アジアの国々、ロシア、ブラジルなどの国々の力が増していくと思われます。そうなれば米国の力は相対的に弱くなる可能性は大きいです。しかし、その時に日本はどうなるかということも考えなくてはなりません。少子高齢化、人口の減少、GDPの減少、膨大な国の債務など決して日本が順風満帆でないことは、御承知の通りです。 最終的に、為替の予測をするのは不可能で、その答えは分かりません。このような状況で、どのように考えるかは人それぞれですが、今回は以下の前提で私の考え方を述べます。 ・日系企業にお勤めの会社員で、現在は香港駐在員。 ・将来日本へ帰任予定。 ・USドル建ての保険と少しの外貨預金以外は、円建ての資産。 リスクマネジメントの観点から考えますと、最悪のケースから順番に対処するのが原則です。 為替問題で言えば、「円の下落」が一番悪いケースだと考えます。一定の許容範囲を超えて下落した場合です。日本の経済が弱くなり、それに伴い円が弱くなるケースで、この場合あらゆる物を輸入に頼っている日本では物価が高くなり、悪性インフレになるケースです。 この場合、多くの資産は日本円なので、資産の多くを減らすことになり、実生活にも影響を与えます。この時にUSドル建ての資産を持っていることは、助けになると思います。 逆に皆さんが心配する「円の上昇(ドルの下落)」の場合、輸入品の多く、エネルギー、原材料が安く買うことができますので、国民生活自体が危機的になることはないはずです。USドル建ての商品の受け取りが目減りする可能性はあっても、心配する優先順位は低くなります。(保険料半分であれば、為替レートが半分になって同じぐらいですから、よほどでないと大丈夫だと思います。) 儲けようと思って為替を考える時(為替の投資をする時など)と最悪の事態を回避する為にどのように分散するかを考える時では、考え方が違います。保険の場合は、後者の考え方が適していると思います。皆さん自身も考えてみて下さい。 紹介文 中山祥一 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定ファイナンシャル・プランナー お問合せ TEL:2104-3131 E-mail:snakayama@nni.ne.jp URL:www.nni.com.hk