「眠っても疲れが取れない」「眠るのに時間がかかる」「寝た気がしない」「途中でよく目が覚める」これらにあてはまるものはありませんか? これらの症状はいわゆる「不眠」といわれるもの。不眠が続くと体力が回復できず疲れがたまり、体に不調を来すだけではなく、体に出てきた症状が心をむしばみいずれは「うつ状態」を引き起こすケースも少なくありません。 眠れない....簡単に考えていますが、実は眠りは体力や精神を維持する為にとっても重要なこと。今回はそんな「眠りの質」についてです。 *不眠の原因* 不眠の原因は大まかに2つに分けられます。 1.病気によって 高血圧、頭痛、呼吸器の病気、歯の痛み、カフェインなど。 2.精神的負担 不安、心配、恐怖心など。 病気が原因で起こる不眠は、原因となる病気を治療することにより多くの場合は楽になれます。例えば歯が痛い場合は歯の治療、頭痛により眠れない場合はその原因を調べ治療するなど。しかし、原因が精神的な負担による場合はどうすればよいのでしょうか? *精神的な負担による不眠の対処法* 不眠につながる精神的な要因があるかどうか、まず自分に優しく問いかけることが先決。「これくらいは誰だってある。」と脳のオーバーワークを見過ごしてしまわないこと。 ○「気が利く」ことにより脳が興奮して眠れない場合 このタイプの人は非常に多い確率で手と足の裏が熱いです。自覚のない人でも「寝る前に色んなことが浮かんできませんか?」「一つ聞いたら10個くらい理解できませんか?」などと質問すると「あ、そういえばそうです。」と答えます。 考えることが多いと脳の興奮し、心臓に熱を持ちます。その表れが手足の熱。寝るときに手足を布団から出して眠るという方は要注意。特に日本女性の美徳、「誠実」な人が意外に陥りやすいのも現実。皆に迷惑をかけないように先読みをして実際に起こらないケースのことまで先に考え既に疲れてしまうということも。 しかし、実際このような優しい人は自分のこのサイクルに気付いていないことがほとんどです。「眠れない」という体の大切なサインがある人は、これをきっかけにこのパターンに自分が近くないか、今一度見つめてみて下さい。 もしも怪しいと思われたら先読みできる賢い自分とは暫く疎遠になり、「結果は実際一つしか起こらない」ことを心の奥に入れてあげて下さい。 その人が余計な労力を使わずにいることが、いざという時自分本来のいい力が出せるものなのです。疲れていたら誰だって何も上手くこなせませんよね。思考にすき間を与え、気持ちいい眠りを自らが持つことによって心に自然に余裕が出てきます。 寝る1時間前には部屋の照明を若干暗くして静かな音楽を聴いたり、心休まる本を読むなども有効です。”頭を真っ白に”とか”リラックス”とか言葉でいうのはたやすいですが、実際はそう簡単ではありません。そういう時は浮かんでいる頭の中のイメージに別のものを上からかぶせてしまう方がいいようです。例えば飛行機の中から見えたような雲の様子、滝の流れる様子、草っぱらで寝転んで見る空の様子などをイメージとしてみるといいと思います。 ○アルコールによって起こる興奮 一杯以上のアルコールは脳を興奮させることになります。脳が興奮した状態では上手く寝つけません。深い眠りにつけません(夜中に目が覚める)。 このタイプの人は「寝酒をしない」こと。 *効果的な漢方* 漢方は「温かい」「冷たい」「平ら」と3つの性質に分かれています。それぞれ冷え性には温かい漢方、熱がこもっているときには冷たい漢方。そして、どちらにも偏らないのは平らな漢方です。 ○冷たい漢方: ゆりねの干物→イライラ、ドキドキを沈め眠りを良くする 桑椹(そうじん)→血や体の水分を補い眠りを良くする 蓮心(れんしん)→常時イライラしている状態を改善 ○温かい漢方: くるみ→脳の活性を良くして興奮熱を流す ナツメ→血を増やして疲れを取る 竜眼肉→血を作り血流を良くする ○平らな漢方: 酸棗仁(さんそうにん)→脳の興奮を下げ落ち着かせる。 (煮出したものをお茶のように飲む) 睡眠は量より質が大切。長時間眠っているのに日中眠気に悩まされるのはきちんと睡眠が取れていない証拠。十分な睡眠が取れないと精神的にも負担がかかり、日中の業務や活動に影響が出ます。それらのトラブルが精神的なダメージにつながる前にきちんと睡眠について考えてみましょう。 中医:松谷葉子氏 聞き手:橋本フミカ