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2009年7月07日更新
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SokNet Planning Ltd.

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 コンサート事情に見る香港のポジションの変化  7/07更新


 日本のテレビドラマ、「官僚たちの夏」を見た。終戦から10年の、昭和30年から始まる話である。終戦後の貧しい時代の日本人が、アメリカの豊かな生活に憧れ、いつか自分達もと思うシーンが随所に。小学生としてその当時を生きた私は、日本が本当に大きく変化した、豊かになったと思う。アメリカはどうなのだろう。私にはわからないが、昔憧れの対象で、その後同じようなレベルに並ばれたという点では、日本にとってのアメリカと、東南アジア各国にとっての香港は、似ていると思う。香港はかつてアジアの人にとってあこがれの場所だったのであるから。

 マレーシアのジャングルの中にぽつんとある小さな町で、取引先に連れて行かれたナイトクラブの名前が香港。冷えたビールは追加料金というような店。地元の名士だった取引先の社長が、香港からの出張者だった私と、「香港の有名歌手」として出演中の人を「香港から」同士なのだから知り合いだろうと握手させてくれた。でも、お互い知るわけもなく、気まずい一時を過ごしたのは、私がメーカーの駐在員として東南アジアをセールスでまわるようになった30年程前のある一夜のこと。

 当時は、シンガポールでもマレーシアでも行く先々、ショーだクラブだはどんな場末に行っても香港人歌手出演が看板、目玉になっていた。あっちの店もこっちの店もと言う程、大勢の香港人有名歌手がいるはずはなく、「香港から来た有名歌手」は歌手名につける枕詞かというところ。まあ、それ程に香港の芸能界、香港のスター、そして香港そのものが、華やかということで、各地の人達、庶民のあこがれだったと思う。

 政治の世界でも、経済の世界でも、香港の地盤沈下が話題になって久しいが、映画や芸能の世界でも香港の地位の変化が起きている。一つは観客と芸能人の関係。それぞれの土地にテレビ局が出来、その土地でのコンサートが開催されることで、芸能人と言われる人が増え、彼らとの競合もあり、香港の芸能人というだけでは、通用しなくなってきたこと。もうひとつはアジアの各都市と香港の関係の変化。百万ドルの夜景の香港は確かにステキそうでも、高層ビルなら自分の国にも建っている。所得の差はまだまだ香港の方が高いが、昔ほどでもない。憧れもそこそこ、なのでろう。

 そんな事から歴然と変化したのが、香港のスターと言われる人達のコンサートのやり方。以前は一人のスターが香港の同じ会場で何日もコンサートを開催し、そこに色々な国からのファンが集まってというスタイル。ファンサイドから言えばあこがれの香港スターを見に、あこがれの香港にやってくる、というイメージだった。ところが、この三、四年前からはスターの方から歩み寄ってというか、色々な国に出掛け、そこでコンサートを開き、そこにその土地でのファンが集うというスタイル。ファンサイドから言えば、地元にも出来はじめた立派なコンサート会場で、巡業にやってきた歌手の歌を聴くというスタイルがメインにと変化した。

 別の言い方しては、以前だって香港人歌手の各地への巡業はあったが、あくまで香港をメインとして開催、そこから外への巡業だった。ところが、現在は香港人歌手のコンサートツアーなのに、香港がコンサートの開催地に含まれていないとか、「One of 開催地」という位置づけになった、という変化と言い換えることも出来ます。要はその方が興行側にとって売上が上がる、取り分が増えるという状況の変化が、切符を買うファン側にあった、つまりは生活に余裕が出てきた、ということだろう。

 変な例えになるが、「香港人スター」というブランド品を、「憧れの香港」という名の都心のデパートまで、一部の余裕のある人達が買い物に、から、生活レベルの上がった庶民が、自分が良いと思う商品を地元の店で買うようになったという変化と言ったら、ファンの方に怒られるか。

 日本vsアメリカでは、上位だったアメリカで天下のGMの破綻などボロが出て来ており、追っていた日本もまたおかしくなって来ている。けれど、香港vs東南アジア諸国では、何とか共に元気に、成長を続けて欲しい。

 日本の場合は、「官僚たちの夏」にあるような、全国民的な頑張りで豊かな国になったのだが、東南アジアの国でも、進め方やスタイルは違っても同じような頑張りがあったんだろうなと思いながら、各々の国での「官僚たちの夏」のような、頑張り国富成長物語のテレビドラマを見てみたいと思った次第です。

関 俊也著
Editor 紹介
本 名: 関俊也 SokNet Planning Ltd.代表 seki.gif (549 バイト)
E-mail: seki-s@soknet.com.hk
略 歴:
昭和19年生、獅子座。東京理科大学理学部物理科卒。 卒業後、折からの学園紛争で学士入学するはずの大学がその年に限り学士入学を取らず、研究室でブラブラしているときにおもしろそうだと訪問したのが、コンピューター(その当時はリレー式コンピュータ)で日本語を処理しているという会社。 いつのまにか入社。1979年、同社香港オフィス創立で香港に赴任、1992年に同社を退職。 趣味で始めたパソコンに関するコンサルタントとして香港に残り自営。 1994年後半、会長をしていた香港日本人倶楽部パソコン研究会がインターネットで大いに盛り上がり、1995年にその友人達とインターネットプロバイダーを設立、その後、インターネットコンテンツを専門に扱う会社、SokNet Planning Ltd.を設立して現在にいたる。
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